劇場『モービウス』

息子14歳と観てきました。マーベルだから当然観ますよね!というただ一つの目的しかなかったのですが、案の定空いてました。ソニーズスパイダーマンユニバースの中のキャラクターではあってもスパイダーマンとの知名度の差、そしてジャレッド・レトの役にかける熱量と観客の期待値の落差に愕然としますね。

主人公の精神性はすばらしく、高潔で真面目で利他的なダークヒーローです。そして同じ病気で苦しみ共に育った親友というやつが同じ力を手に入れ、こちらは真っ直ぐなヴィランになってしまうという。マイケルが力を手に入れ、杖なしで歩けることに喜びを感じていなかったワケは無いのだけど、それに飲み込まれることなく責任を果たそうと、罪を受け入れようと、正しく努力しようとする。マイロは反対に、それまでツラい生き様を強いられてきたことを他人への逆恨みに転嫁してしまう。それほど歪んで育ってしまったのだなぁ。教育環境の差が出たのか、家庭環境の影響なのか。ニコルズ先生がホント気の毒。

お話はわりと真っ当と言うか、ありがちと言うか。なお原作は読んでません。前半かなりホラーちっくな雰囲気ですが、モービウス先生が我に返ってからが本番。ちょっと初代スパイダーマンぽいトコもあるね。あと「大いなる力には大いなる責任」もありますね。なんだかんだマイケルに同情というか共感というか、ヒーローに見えてしまう雰囲気はあるんだけど、あくまでも人の生き血を啜らないと生きていけない存在なのよね。だから自分で自分を終わりにする・・的なことを言ってたよーな気がするけど最後特にそのような描写もなく、飛んでどこかへ行ってしまいました〜で終わってるのなんでだろう、ってもちろん続編があるからに決まってるんですが()、まぁなんですか、他のマーベルキャラとの絡みがイメージしにくいんですけど、スパイダーマンと絡まないわけにはいかないアレなんですよね?で他のヴィランと組むの?このマイケルが?? な ん で ? ? ?

人生に希望が持てず、将来もなければ恋愛だってできるわけがない、と悲観しかなかったのに、マイケルには心を寄せる女性が居た。それもマイロには疎ましく思う要因になったよなぁ、当然ですよねぇ。マイケルは高等教育を受け医師として育つ中でいろんな人に囲まれてきたけど、たぶんマイロは限られた範囲の人にしか会っていないか、親がらみ資産がらみの付き合いしかなかったのかもしれない。恋愛どころではなかったのはどちらも一緒だったろうけど、ね。。。でそのマルティーヌもけっこうはっきりきっぱり自立した女性っぽいからどんな活躍してくれるのかと思ってたのに“協力者”からの“恋人一歩手前”からの“人質”扱いどまり。昨今のハリウッドで大いに活躍する女性像とはかけ離れた古臭い立ち位置でした残念。最終的にアレしてるので次回乞うご期待!なのかもしれないけど。

血を吸っている、飲んでいるという描写が随所にあるわりに、赤い血がほぼほぼ画面に映らない。血自体は何回か見るけど、、だいたい黒かったよね。飛び出てる血が赤いか黒いかでレーティングが変わるのかな?もしかして。不思議っちゃ不思議。

そんなわけで爽快感もなければ決着した感も薄いダークヒーローの誕生譚ですね。とりあえずマルチバースも開いたし続編はMCUに絡んでくるらしいので、今後の展開も生暖かく見守っていきます。
  • 2022年アメリカ
  • 原題Morbius
  • 監督ダニエル・エスピノーサ
  • 脚本マット・サザマ、バーク・シャープレス
  • 原作(原案)マット・サザマ、バーク・シャープレス
  • 出演ジャレッド・レトー、マット・スミス、アドリア・アルホナ、ジャレッド・ハリス、アル・マドリガル、タイリース・ギブソン
  • 声の出演
  • 制限G

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