劇場『劇場版パタリロ!』

ほぼ舞台。舞台をそのまんま映画に持ってきたんだけど、せっかく映画なのでCGも使ってみました!的な。あからさまに舞台なのは仕方ないのかなぁ。同じセットの使い回しってさぁ、いくら予算が無いとは言え。屋外にいたのにミュージカル部分だけセットの中で歌が終わったらまた外ってさすがにどうなの。外でだって歌えばいいのにw

パタリロらしさの一つでもある早着替え的なコスプレのアレって、舞台ではどうしてるのかな(笑) 絵面(えづら)的には、あまりにも舞台舞台してるところで瞬間的に変装してるから一瞬混乱するっつーか。漫画的な表現が映画だからできるとも言えるワケですけど・・・一周回って不思議な感じ。

CGでも使わなきゃ映画にする必要ぜんぜんなかったと言えなくもないんですよね。それもこれも予算の一言でバッサリやっちゃうんだったら無理して映画にしなくてもいんじゃね?って言いたくなるくらい舞台。もちろん舞台版も楽しそうだし面白いんでしょうけど、アタシは映画を観に来たんですよ。。映画としての出来栄えで言っちゃうと、完全に『埼玉』に軍配です。しかしCGはすばらしかったです。巨大化とかね、同じ顔が無数に蠢くとかね、好きか嫌いかじゃなくて(笑) もうちょっとCGがんばってアニメのシーンもなんとかしたら良かったのに。

なにしろ、パタリロを演じるために生まれてきたとしか思えない加藤氏が全て。もはや加藤氏をみているのかパタリロをみているのかわからない。バンコランもかなりハマってますね、くっきりきっぱりした話し方といい、“目からビーム”もキレのある動きで良き。マライヒは女っぽくやりすぎな気がするけど・・・暗殺とか体術とか得意な設定だったはずなので、もうちょっとナヨナヨ度合いを抑えていただきたかった。闘いのシーンはまぁ良かったと思いますけどね。マリネラは気候も良く国全体が豊かなため美少年が多いっていう設定だったはずなので、マリネラくんだりまで行ったバンコランがそこいらじゅうで美少年を失神させまくりマライヒに嫉妬されるとかいう描写があっても面白かったと思うけど尺がないですねそうですね。

こうして冷静にツッコんでるとキリがないけど、観ている最中では絶妙にツッコミが追いつかないくらいの詰め込み具合なので、まぁまぁ飽きないかな〜。昭和のギャグがお嫌いでなければ。あと見え透いたボケにも付き合える優しさがあれば。そして終盤に出てくる「クックロビン音頭」を生暖かい目で見守りつつ受け流すことに耐えられれば。うむ、だいぶしんどいなw

ところでタマネギ部隊の面々はわたくし的にはひとつもおいしくないし、あっちもこっちもちゅっちゅしすぎです。なお男女のカップリングで執り行われるソレはひとつもない。ミュージカルシーンでの歌声も男声のみで雄々しいことこの上ないし、そもそも登場人物に女性が極端に少ない(笑) 観賞される際には念の為お気をつけください。
  • 2019年日本
  • 原題
  • 監督小林顕作
  • 脚本池田テツヒロ
  • 原作魔夜峰央
  • 出演加藤諒、青木玄徳、佐奈宏紀、細貝圭、金井成大、石田隼、吉本恒生、三津谷亮、小林亮太、吉川純広、佐藤銀平、三上陽永、柴一平、富岡晃一郎、上山竜治、市川知宏、佐藤流司、松村雄基、近江谷太朗、木下ほうか、池田鉄洋、須賀健太、鈴木砂羽、魔夜峰央、西岡徳馬、哀川翔
  • 声の出演大谷育江、大塚明夫、浪川大輔、関智一、高橋広樹
  • 制限G

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