劇場『はるヲうるひと』

地元で上映してくれる気配がないので諦めてたのですが、別の用事で都内に行く機会があり、時間とかアレとかやりくりして、観ちゃいました!やった!

まぁ、ワクワクしていって観ると「うあぁぁ...」ってなるやつなのは分かってたんですけど、でも良かった。群像劇と言うには、あんまり登場人物たちの思惑が交差しまくる感じも無かったり、寄り添ってる風でいて実は眺めているだけだったりするなぁ、という後味ですが、のめり込んでる間はちゃんとすごかった。なんかそんな感じ。よくわかんないね。つまるところ、田舎のイオンとかで大々的に客を集めるタイプの作品じゃあないからね。R15+だし、舞台が“置屋”だし。

二朗さんも怖い顔はもちろんできるし、暴力を振るえばそれはそれは大変なことも起こせるだろうけど、やっぱり二朗さんぽいなぁというか。女たちは商品だからそうそう殴らないにしても、得太は平常運転でもっとボッコボコにされててもおかしくないな、って思ったので。いやーでもなんつーかいろいろ、曖昧な部分というかフワッとしたままにされてる部分が多いというか、設定があんまりカッチリしてない感じは気にならないと言ったら嘘になりますね。どこの言葉なのかな?訛りがない人もいるのはなんでかな?みたいなね。要は山田孝之と仲里依紗がすごかった、それで良いんだよ。なんなら向井理とか存在意義わかんないから。

まっとう、というやつも実にあやふやなんだけど、そもそも哲雄は手に職があるわけでもない。ハナクソだと罵って憚らない女たちに食わせてもらっておきながら、何が「まっとう」なのかと、私は思わずにいられない。生まれに愛のあるなしも順番も全く関係ない。不安定なナニカの上に立っているのをわかっていて、周りの者を押さえつけることで“よりマシ”であることを装っていただけなのだな。わざわざ「これが、まっとうなのだ」とか言わないと保っていられないくらいの。なんつうか救いがないし何も解決しないお話・・・「だけど、それでも前を向いて生きていく」ではなく、ただそこにあった風景って感じ。そりゃね、外野の励ましなんて腹の足しになんないもんね。。
  • 2019年日本
  • 原題
  • 監督佐藤二朗
  • 脚本佐藤二朗
  • 原作佐藤二朗
  • 出演山田孝之、仲里依紗、今藤洋子、笹野鈴々音、駒林怜、太田善也、大高洋夫、兎本有紀、向井理、坂井真紀、佐藤二朗
  • 声の出演
  • 制限R15+

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