劇場『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
最初に思ったのは、すごく平面的な絵で見せてるなぁ、ということ。架空の雑誌を編纂する過程のような?映画の流れとしてはそんな感じなのかな? 章立ててまったく違うストーリーがいくつか語られていく、オムニバス形式。それぞれのお話がそれぞれ1本の映画になれるくらい面白いしキャストも豪華だし大変なことになってます(笑)次に思ったのは、色彩がすごい。なんかそういう、可愛らしい色合いの街並みな感じってヨーロッパのどこかにあったよね!ていうやつ。ただしずっと平面的。モノトーンのシックと鮮やかな黄色ベースのパステルちっくな可愛らしさが行ったり来たりする、不思議な世界。ときどきアニメになるのは、カーチェイスとかがアレだったのかなぁ、とかね。ストップモーションも面白かった。ちゃんと?役者さんたちがプルプルしながら、大乱闘してましたーというテイの静止画とかね。
ベニチオデルトロのいつもの?異様さと、正にミューズ(女神)なレアセドゥという組み合わせの妙。こんな完璧なモデルなんて居たら、そりゃアタシだって絵を描きたくなる、かも、しんない。ほんとすごいよレアセドゥ。完璧。そこに挟まれるエイドリアンブロディの眉毛。絶妙です。ティルダスウィントンさまは黙っていても語り過ぎても素晴らしい。今回は佇まいだけでお腹いっぱいなキャラでしたが、それでもずっと聞いていたくなる不思議。
オーウェンウィルソンのくだりは普通に内容を観てしまったので、オーウェンそのものがどうだったかがよくわからないというかあんま思い出せない(笑) まぁその内容も観たところで何かの参考になるでもないし記憶に残るでもないんだけど、町並みの中で映る人たちがみんなこっち見てるのは面白い演出でしたね。こっち見てる理由ないのにね(笑) 治安のよろしくない場所を通るときは気をつけないとね!
ジェフリーライトさんって、とっても良い声してるんですよね〜。けっこううっとり聞いてたわ。お話ももちろん面白かった。なんならサスペンス・アクション的に一番派手なエピソードだったかもしんないね。天才シェフのかっこよさ。最後にちゃんと長台詞が聞けて良かった。ジジくんの生意気度合いと可愛い度合いの案配の絶妙なことといったら、お父さんじゃなくても抱きしめたくなります。そのお父さんも安定のマチューアルマリックさんですから間違いありません。とても困る目に遭うグルメな警察署長、という役柄がこれ以上似合うひとが居るだろうか。いや、居てもいいよもちろん。
ティモシーシャラメとフランシスマクドーマンドというコンビ?もなかなか不思議というか何と言うか。パッと見で親子くらい歳が離れてそうだし。コンパクトを開いたら変身しちゃいそうな勢いの女子の早口っぷりもかっこよい。フランス語と英語がごっちゃ混ぜで忙しかった。たぶん半分くらいしかついていけてないわ。ティモシーは学生代表みたいな役柄だったんだと思うけど、そのわりにあんまり賢くなさそうでしたよね・・筋肉を恥ずかしがってばかりの人生は幕引きが早過ぎて気の毒でした。
ほんのちょびっとしか出てない人も多くて気づかなかったり思い出せなかったりしすぎなんですよ。ほんとスミマセン。大真面目に観なきゃいけない作品ではないけど、呑んだくれながら観るには大物だらけで見逃すともったいない。ビルマーレイの抜け感は歳をとってきてから魅力が増して良いですね。
- 2021年アメリカ
- 原題The French Dispatch Of The Liberty, Kansan Evening sun
- 監督ウェス・アンダーソン
- 脚本ウェス・アンダーソン
- 原作(原案)ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ヒューゴ・ギネス、ジェイソン・シュワルツマン
- 出演ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マチュー・アマルリック、スティーヴン・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、リーヴ・シュレイバー、エリザベス・モス、ウィレム・デフォー、ロイス・スミス、シアーシャ・ローナン、セシル・ドゥ・フランス、ギヨーム・ガリエンヌ、トニー・レヴォロリ、ルパート・フレンド、ヘンリー・ウィンクラー、ボブ・バラバン、イポリット・ジラルド
- 声の出演アンジェリカ・ヒューストン
- 制限