Netflix『マ・レイニーのブラックボトム』

ほぼ密室劇ですが、チャドウィック・ボーズマンのエネルギーに引き込まれ、舞台の狭さを感じません。が、暑苦しさはよくわかる。要はとても暑くてコンディションのよくない日だったという設定で、マ・レイニーの肌も汗でテラテラだし、みんな疲れてる感じが出てて、見てるだけでもちょっとしんどい。絵面もしんどいのに、彼らの立場や白人からの扱い、その中でどうやって生きていくか、抗っていくのか、波風立てずに生きればいいのか、そういう熱意とか思惑とかの渦が観ている側の心をざわめかせるのでアツくなる。

ともあれチャドウィックボーズマンのほとばしる魂が美しい。当時は白人が黒人を道具のように使うなんていうのが当たり前だったようですから、マ・レイニーの強さにも舌を巻くし、レヴィーの心の傷にもただただ言葉が出ない。神よ、見てみろ!見てるなら助けてみろ!ほんとそれ。ほんとそれすぎて涙が止まらない。

ただひとつ、レヴィーが「32年生きてきた」ってな感じのことを言ってたと思うけど、30代でその軽薄さはいかがなもんかと思いましたね。女の子をひっかけようとする癖は歳に関係ないけど(汗) 計画がある、と言いつつ、衝動的すぎるような。鬱積した思いが爆発してしまったのはわかるけども。悲劇です。Rest In Peace.
  • 2020年アメリカ
  • 原題Ma Rainey's Black Bottom
  • 監督ジョージ・C・ウルフ
  • 脚本ルーベン・サンチャゴ=ハドソン
  • 原作(原作戯曲)オーガスト・ウィルソン
  • 出演ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン、グリン・ターマン、コールマン・ドミンゴ、マイケル・ポッツ、ジョニー・コイン、テイラー・ペイジ、ジェレミー・シェイモス、ドゥシャン・ブラウン、ジョシュア・ハート
  • 声の出演
  • 制限

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