DVD『グランド・ブダペスト・ホテル』
先に『フレンチ・ディスパッチ』を観てしまっているから、の感想にならざるを得ないのですが、とても似ている。というか、やってることがほぼほぼ変わらない。さらにレイフファインズがずっと面白上品紳士なので『キングスマン』も連想させる。ウエスアンダーソンのマゾ度と言うべきか性癖と言うべきか、少なくともアタシの趣味にはマッチしないなぁ、というのは良くわかりました(笑)料理というのはこういうことだろうな。使う役者は一緒でも、味付けを変えればまったく違う仕上がりになりますよ、という。相変わらずティルダスウィントン様が妖艶()ですばらしい。味方のようで裏切り者のようでやっぱり味方だったので結果的に痛い目をみちゃったマチューアルマリックさんの目を見開きながら事切れる様の似合いっぷりといったらないですね。血も涙も容赦もなくバンバン証拠隠滅してっちゃうウィレムデフォーさんの異次元の怖さ。無駄に怖いポーズまでつけて(笑) そして怖い顔してるわりにやっぱり小物だったエイドリアンブロディとか、神出鬼没に異彩を放つレアセドゥとか、セクシーを封印してしまってだいぶ大人しいジュードロウとか。
つまるところ、面白かった。テンポ良くプーーークスクスできて飽きないよね。アクションも楽しかったよね。キレキレじゃない、コミカルでピタゴラスイッチ的なノリ。スキーとソリ?のチェイスとか抱腹絶倒ものです。ところでグランド・ブダペストつってるけどハンガリーじゃなくて架空の国の設定なんだね。マイノリティへの差別や偏見、戦争の惨さを語るのに架空の国の架空のホテルや架空の画家や架空の名画なんかでもってコメディちっくに仕立てる手腕はさすがです。架空っていうか今作のためにわざわざ本物の画家が描いたらしいですね「少年と林檎」。かわいい絵。
ていうか全体的にかわいいよね。色合いといい、グスタヴとゼロのかけあいといい、模型っぽさというか絵本っぽさというか。ケーキ屋さんの箱に埋もれてアガサとゼロが見つめ合うシーンなんかそのまんまよね。ホテルもピンクとかすごいよね・・・格調とは🤔
- 2013年イギリス/ドイツ
- 原題The Grand Budapest Hotel
- 監督ウェス・アンダーソン
- 脚本ウェス・アンダーソン
- 原作(原案)ウェス・アンダーソン、ヒューゴ・ギネス
- 出演レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム、エドワード・ノートン、マチュー・アマルリック、シアーシャ・ローナン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、レア・セドゥ、ジェフ・ゴールドブラム、ジェイソン・シュワルツマン、ジュード・ロウ、ティルダ・スウィントン、ハーヴェイ・カイテル、トム・ウィルキンソン、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、トニー・レヴォロリ、ラリー・パイン、ジゼルダ・ヴォローディ、フロリアン・ルーカス、カール・マルコヴィクス、ザック・フォルカー・ミヒャロウスキ、ニール・ハフ、ボブ・バラバン、フィッシャー・スティーヴンス、ウォーリー・ウォロダースキー、ワリス・アルワリア、ルーカス・ヘッジズ
- 声の出演
- 制限