Disney+『ロキ』
予想できていたことがあるとすれば、「より混沌な世界となるであろう」ということだけです。ロキが出てきて何かがまとまるワケないんで、まして主役なのであれば、ぶっ壊してナンボですよねー的な(ただし主語がロキではない)。今シリーズに限らず、だいたいロキの思う通りには進まないんですよ。いろいろ思いつきで行動して引っかき回すだけで、どんだけ壮大な目的を持っていようと、それをどれだけ語ろうと、なんつうかロキの人生って思い通りにいくことの方が少ない感じですよねぇ。今のところ。いろんなロキがいるという設定は面白いですね。「オーディンが拾ってきてロキと名付けた者が分岐した」ものもあるけど、「ロキとして拾われるべき者として分岐したのちに発生した個体がオーディンに拾われた」がほとんどじゃないですか。それとも、オーディンは何度も拾い子を連れてきては“ロキ”と名付けたのか?とも思ったけど流石にコレは違うかな。ソーの記憶を改竄したか、たまたまソーが生まれた後の“ロキ”だけが正史となったか、でないと辻褄合わないし、普通の感覚だったら同じ名前つけないもんね・・オーディンの感覚が地球人の感覚と同じとは決して言えないけど(笑) ともかく「ロキは姿を変えられる」っていうレベルじゃないと思ったんですよねぇあの多種多様っぷり(笑) ぜひ「ワニのロキ」の物語を聞かせてほしいです。
正史ロキが母から魔法を習ったのであれば、独学で魔法を習得したシルヴィと“同質の魔法”であることを証明する術がない。他のロキも然り。真面目に考えるとツッコミどころは山ほどあるねんで。
1話はけっこうコメディタッチでしたので、やっぱロキはこうでなきゃ!的な、ほとんどペットを愛でる的なノリだったけど、回が進むにつれ不穏だらけになってヤバいヤバい言ってる間にロキが自分の本音を口にしたり、本心をさらけ出す度にヒーローに近づいていっているようでした。すごい。すごく不思議な感覚です。それまでは完全に利己的で全く信用のおけない存在で裏切るのが前提のキャラだったのが、最後の最後で自分の利益じゃないことを目指すなんて。愛か?愛の力なのか?まぁ愛って言っても相手も自分ってことらしいですけど。チューしちゃうとは思わなかったけど。あと、お仕置きループ部屋でヤバい蹴られ方してたシーンは、4回めくらいで気を失っててもおかしくないんじゃないかと心配しちゃうくらいには共感してましたよね。つーかアタシ男じゃないから蹴り方について勉強させていただけてアザっす!ですけど。
それぞれのロキが、それぞれ違う能力を持っているのもなかなか面白い。そこまで個性が違ったら、やっぱりルーツは違うんじゃね?って思うなぁ。ソーをやっつけちゃったという少年ロキも不思議とカッコよかったけど、おじいちゃんロキの最後の見せ場は最高でした。息子14歳と並んで見てて、一緒に「お、、おじちゃーーーーーん!!!」て声出ちゃったもん(笑) 声を出すにあたっては、「おじいちゃん」ではなく「おじちゃん」と忖度してしまったことは正直に述べておきます。少なくともじじい呼ばわりはできない、と息子14歳も感じたことは確かですね。あんな男気を見せるロキも居たんだ・・・
“マルチバース”という単語は既に何度も聞いてるやつなので驚きはしないけど、この混沌っぷりはちょっとどうなんだろう。風呂敷広げすぎちゃいます?だいじょぶ?誰が畳むの?さすがにストレンジ先生1人じゃキツいと思うし、ロキ1人にも不可能でしょう。畳むのはアベンジャーズでやるのかなぁ。それとも畳まないで並行世界のまま描いちゃったり、なんなら行ったり来たりして助け合ったり戦争したりするのかなぁ。めんどくせえなぁ(笑)
TVAも変ですよねぇ。あんなワープ装置とかすごい技術もあるのに、資料は紙で保管だし(の割にデータとして検索も可能?)、ハンコや手書きのサインも必要だったり。そういやワニはサイン書けたの??書けなかったから問答無用で剪定されたの??? もしかしてアレかな、データより紙の方が消えるリスク的に良いっていうアレかな、と思ったけど時間の進み方が云々でいくらでも調整が効くなら劣化とかも関係ねーんじゃね?って思ったんですけどなんなんでしょうね?? モニタがブラウン管ぽかったのも更に謎オブ謎。
星ごと消滅しそうだったところで大ピンチ!の回、列車に乗った後でロキが飲んだくれてふざける流れがさすがに間抜けすぎてドン引き。その後宇宙船だかなんかのある場所まで歩いて行ってるのも、どう考えても間に合わねえよせめて走れよ、と思ったし、やっと目の前まで辿り着いたと思ったら当のソレがボッキリ折れて絶望ですハイ終わり〜〜〜ってシーンも「あーどう考えてもそのうちオーエンウィルソンが助けにくるから心配ないやつー」て思えちゃったし、ほんとこーゆートコってドラマの悪い所!ってゆー気がしちゃう。映画だったらそんな余計な尺とってる余裕ないやつよな〜頼むでしかし〜。でもアレだ、このシークエンスで大事なところって、ロキ&シルヴィに恋心が生まれることだと思いますが、別に最終回のラスボス直前あたりでも良さそうだよね。だって恋が生まれたところで何某かの大事件に直接的に結びつく要因が分かるワケじゃないから、と思ったけど分岐が現れないと見つけてもらえなかったっつーことは、あの場面じゃなきゃダメだったのかなぁ。分岐ができたからって、あの状況からどうやって2人が生き延びるんだ?生き延びないという世界線ってことか??えーだってそもそも変異体じゃないか、変異体が本筋に干渉して分岐を作ることができちゃうのか?!?!
何はともあれ「なんだかんだあったけどどうにか戻ってきたと思ったらソコが既に別次元でいきなり(また)追われる展開」ってあーたマジでヒーローになっちゃったみたいぢゃないですか!アツいですね!!シーズン2も楽しみですね!!!(こんだけ書いてもやっぱりまとまりませんでした)
- 2021年アメリカ
- 原題LOKI
- 監督ケイト・ヘロン
- 脚本マイケル・ウォルドロン
- 原作(原案)マイケル・ウォルドロン
- 出演トム・ヒドルストン、ソフィア・ディ・マルティーノ、ググ・ンバータ=ロー、ウンミ・モサク、ユージン・コルデロ、サッシャ・レイン、ジャック・ヴィール、デオビア・オパレイ、オーウェン・ウィルソン、リチャード・E・グラント、ジョナサン・メジャース
- 声の出演タラ・ストロング、(吹替版)平川大輔、志村知幸役、鶏冠井美智子、斉藤貴美子、松浦裕美子、山橋正臣、胡麻鶴彩、佐古真弓、飯沼南実、北西純子、宮田浩徳、高村晴香、中村和正
- 制限