Disney+『SHOGUN 将軍』
この評価の高さから考えると、いっちばん最初の、船が難破するあたりのシーンが謎にちゃちいと言うかウソくさいと言うか・・な気がしたりしなかったりしていますが、確かに「日の本の国」はとてもリアルです。最近あんま時代劇見てなかったからアレかもですが、かつらとか着物とか、すごく自然ですよね。きれいだったりキレイじゃなかったりするセットもほんとリアルでね。西岡徳馬氏のイケメンぶりが謎に炸裂してて、おじいちゃんなのにめちゃくちゃ強そう(笑) いや一番炸裂してるのは二階堂ふみです。やばい迫力ですね。当たり役と言っても過言ではないレベルでオーラがパねぇ。やっぱすげぇ。並んでるとマジで石堂くんが小物に見えちゃうんだからマジすごい(語彙力)。原作をぜんぜん知らないまま、そして折につけお知らせしている通り歴史は超がつく苦手で、高校時分は世界史選択だったうえ赤点しかとったことないレベルなわたくしですが、虎永様が家康なんだなぁというのはわかる。原作小説は史実にインスパイヤされたフィクションだということですが、登場人物やストーリーの大筋はおおよそ史実に準拠しているっぽいですね。なのでおそらく虎永様が最終的に将軍に収まってハッピーエンド!的な収束になるんだろうと最初から思って観ていたワケです(でなければこのタイトルにならないでしょう)が、とは言え、想像を超えるスペクタクルがここにあったわ。
タイミング的に7話まで一気見した後、最終話配信まで待って残りを消化、という視聴方法でした。最初からまぁまぁ緊張感のある展開でしたが、長門うわー!まじかー!からの終盤の追い込みが本当にやばかったっすね!ここまで心臓の強さを求められるドラマはそうそう無いっすね!クライマックスに大きな戦を描かないという潔さは盛り上がりに欠けると言えなくもないけど、実際一番の衝撃回は8話だし、肝心要の『紅天』は9話で済んじゃったのだから、これでイインダヨ。
正直、鞠子様と按針のラブはそんなにアレです。原作だともっと距離が近かったらしいけど、あんまり濃密にやっちゃうとドラマ全体のウェイト的にいかがなもんかって気がしますので、絶妙な三角関係、くらいでちょうど良かったと思いますね。あと未視聴の息子17歳にあらすじだけ教えたら、「なんでその頃の日本で英語をしゃべる人が居るん?ポルトガル語ならともかく」と言われてなるほど?ってなったんですよ。いうて創作小説なんだからこまけーこたー気にすんな(笑)とも思うけど。原作者の我田引水っぷりが大概なのか、ドラマでの取り扱い言語を純粋に減らしたかっただけか、わかりませんが。
鞠子様、壮絶でした。この生き様を見せつけられた日には、按針も感化されてしまうってもんです。薮重の存在感も非常に興味深かったですね。奇異な言動も何かの伏線かと思ってたら、普通にあたおかでした!という(笑) 文太郎の残念度は気の毒なレベルでした。武芸に秀で勇猛果敢な家臣としては重畳だろうけど、いかんせん脳筋DV男じゃあなぁ。虎永様に残された家臣はまだ有能な人がいるだろうか。央海殿にもがんばっていただかねばのう。藤様も非常にエモーショナルな部分を多く担い、控えめな佇まいでありながら強く生きようとする姿を見せてくれましたね。人気が出るのもわかります。
石堂殿がコテンパンにやり込められるところを見てすっきりしたかった、というアレも確かにありますが、つまり石堂殿は間違いなくコテンパンにやられるんですよ。わかりきってる展開なのよ。そんなのわざわざ尺とって語るまでもないっしょ?ご想像にお任せしますよ?でイインダヨ。ってことなんですね。これは確かに押し付けがましくなく、余韻を持たせ想像を膨らませるに足る演出ではあります。原作がそもそも関ヶ原の戦いを描いていないらしいんで、わざわざ書き足してやらんでもええやろ、ってのもわかる。虎永様の目的が「戦って勝つこと」でなく「天下泰平の世」だったのだから、これでイインダヨ。ということですね。
大満足のドラマです。虎永様の心情が明かされない部分が多いのでクドくないと言うか、真田広之氏本人が洗練された雰囲気を漂わせているからか、お顔がアッサリ系だからと言うか、ずっと見てても疲れないんですよね。ハラハラドキドキしすぎるから途中で適度に休憩とった方が良いけどね(笑)
- 2024年アメリカ
- 原題SHOGUN
- 監督ジョナサン・ヴァン・タルケン、シャーロット・ブランドストロム、フレデリック・E・O・トーイ
- 脚本レイチェル・コンドウ、ジャスティン・マークス、シャノン・ゴス、ナイジェル・ウィリアムズ、エミリー・ヨシダ
- 原作ジェームズ・クラベル
- 出演真田広之、コズモ・ジャーヴィス、アンナ・サワイ、浅野忠信、平岳大、トミー・バストウ、二階堂ふみ、ネスター・カーボネル、向里祐香、穂志もえか、戸田年治、倉悠貴、金井浩人、竹嶋康成、洞口依子、亜湖、西岡德馬、祁答院雄貴、ヒロ・カナガワ、阿部進之介、ノブヤ・シマモト、金井浩人、奥野瑛太、宮本裕子、セン・マーズ、蛍雪次朗、AKO、黒川武、井田裕基、トシ・トダ、篠井英介、ユタカ・タケウチ、尾崎英二郎、マコ・フジモト、新山はるの、ブランドン・ノムラ、高尾悠希、こばやしあきこ
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- 制限