劇場『レミニセンス』
現実味のあるようでないような微妙に怖い世界観。すごく凝った脚本。記憶を辿る・・みたいな作品って前にも観たような???と最初に連想したのは『インセプション』でした。次に『メメント』が思い浮かんだけど、どちらもちょっと違ってどっちもノーランでした。今作の監督さんはノーランじゃなかったと思うけどもしかして脚本がノーランなのか?とか思いながら見てて後で確認したら監督さんの旦那がジョナサンノーラン(製作に連名)だったという。趣味が似てるのか、そうか。いいね。メイの人は『グレイテスト・ショーマン』でも歌姫の人だったので、ヒューがお気に入りなのはわかった(笑) いやキャスティングに口は出してないだろうけど。
退役軍人同士はむちゃくちゃ優しいしむちゃくちゃ助け合ってる、という雰囲気は好き。みんなツラい思いをしてきてるもんね。。。もちろん軍に入らなくたって生きていくのは楽じゃないし同じくらいツラい思いをすることはあるワケで、だから退役軍人じゃなくても同じくらいみんながみんな優しくなれたらいいと思うよ。
練りに練ったサスペンスは見応えがあるし、役者たちもすごく良い感じなんだけど、モノローグがちょっとダサいの(「そして俺は地獄へと向かった」みたいなやつ)とか、変なトコで変に尺をとったりするの(「苦しまないようにしてやるよ」のくだり)とか、話の進め方の洗練度?がいまひとつな印象です。セリフそのものじゃなくて。脚本について旦那は口を出さなかったのかしら。いろんな要素が絡み合うので複雑な感想というか視点によっていろんな感想が言えそうなんだけど入れ込みすぎな気がしないでもない。地球温暖化、貧富の格差、戦争とPTSD、麻薬の浸透・・・この世界が水に浸かってからどのくらい時間が経ってるか分からんけど土地が減れば食糧問題も出てくるし、海水に浸ってる建造物なんてあっちゅー間に崩壊するはずだから住居の問題も出てくる。十分すぎるほど世界に危機が迫っていて、注視されるべき問題だらけだというのに、結局言いたいことが「ベタな男女の愛」というのが何とも不思議というか肩透かしというか。
オチが一番厄介ですよね。現実がツラいの、わかるもん。それでも現実を捨てて過去の愛に逃げちゃう主人公のカッコ悪さったらないわ。まぁ結果的に悪い奴の悪いトコが明るみになって一件落着だね!っていうのはあるから、主人公としてやるべきことはしっかりやってるんだけどね。作中の世界で起こっていることを見て経験しちゃったら、将来を楽観できる人はまず居ないよねぇ。やっと出会えた愛する人さえも失ってしまったら、現実逃避したくなりますよそりゃ。ていうかあの水槽浸かりっぱじゃふやけますよ。用法用量を守ってくださいね。とかそんなん思ってたら最後のワッツのセリフがぜんぜん頭に入ってこなかった(汗) いやでも白髪になるほどあの場所もたないよね?あれ?ツッコミばっか言ってる?おかしいな?
- 2021年アメリカ
- 原題Reminiscence
- 監督リサ・ジョイ
- 脚本リサ・ジョイ
- 原作
- 出演ヒュー・ジャックマン、レベッカ・ファーガソン、タンディ・ニュートン、クリフ・カーティス、ダニエル・ウー、ブレット・カレン、モージャン・アリア、マリーナ・デ・タビラ、ナタリー・マルティネス
- 声の出演
- 制限