DVD『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』
面白くて切ない、特殊な人生。感性は普通のはずなんだろうけど、周りは普通に扱ってくれない。唯一”ママ”だけは正しく愛してくれたのだろうと思う。まーしかしケイト・ブランシェットにしてもティルダ・スウィントンにしても、ふつーに撮ったらふつーにコワイひとなのに(※注:褒め言葉です)、よくもまぁこんだけカワイく映ってるもんですわ。ケイト・ブランシェットの幅の広さ、やっぱすごい。
で、ブラピはあんまし光らない。肉体が若くなってるシーンはCGを駆使しているらしいですが、やっぱ、ドキドキするくらい美しい。いろいろ誤摩化すためかどうか夜の暗ぁい場面だし、肉体の隅から隅まで鑑賞できるわけでもないし、本物はとっくにアラフィフ・・・今年で50かw なので、流石にもういいかな〜
じゃなくて、ブラピがあんまピンとこない。上手いとか下手とかじゃなくて、きっと同じ心境に辿り着くことができないだけなんだろうと思う。感情移入のしようがないというか。あー、男性の心境って基本的に女には分からないもんだけど、一般的な見解ってのは見聞きする機会が多いし、うまくすれば突っ込んだ話だって聞けなくもないからね・・ある程度想像というか予測というかは、できるようになるんですよ、アタシくらいの歳になるとw
だけどこのベンジャミンの場合は特殊すぎるよね。幼く多感であるはずの時期、ろくに体も動かず、老人扱いされて、どんな気持ちになるんだろう。たまたま同年代扱いしてくれるデイジーが現れたから救われたのだろうか。歳を取って経験が増えて行くにつれて、見た目が若返っていって、周りから若者扱いされるって、どんな心境だろう。そんなの考えてるだけでも映画終わっちゃうw
”見た目と年齢がちょうど釣り合った時期”さえ幸せならいいってもんじゃないよね。まぁ〜、最終的にぜんぶ忘れて土に還るのなら、歳だとか見た目だとか経験だとか、そんなの何にも関係ないって言えるかもだけど。でも、それを言っちゃあおしめえじゃねえですか。ある時期は少なくとも最高に幸せだったのだし、たぶん他の誰かを幸せにできたこともあっただろうから、いい人生だったね。って言っとくべきなんだな、きっと。
- 2008年アメリカ
- 原題The Curious Case of Benjamin Button
- 監督デヴィッド・フィンチャー
- 脚本
- 原作
- 出演ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・フレミング、イライアス・コティーズ、ジュリア・オーモンド、エル・ファニング、タラジ・P・ヘンソン、フォーン・A・チェンバーズ、ジョーアンナ・セイラー、マハーシャラルハズバズ・アリ、ジャレッド・ハリス、デヴィッド・ジェンセン、テッド・マンソン、トム・エヴェレット、フィリス・サマーヴィル、ドン・クリーチ、ジョシュア・デローシュ、リッチモンド・アークエット、ジョシュ・スチュワート、イリア・ヴォロック、ジョエル・ビソネット、チャールズ・ヘンリー・ワイソン、マディセン・ベイティ、スペンサー・ダニエルズ
- 声の出演
- 制限