劇場『ジョーカー』
映画というものはあくまでも“表現”であり“作品”であり、作り手の本意がどうあれ「自分もそうであるかのように」捉えてはいけない。どんなに揺さぶられても、“作品”とは距離感を持っているべきだ。『オーシャンズ8』のときに、“映画観た後で歩き方が変わってしまう”と書きました。確かに、観た結果気分が高揚したり、はたまた落ち込んだり、頭が混乱したり、悩みが深くなったり、何かしら「自分に影響を及ぼす」作品は少なくないのだろうと思います。だけどオーシャンズのような痛快極まる大胆不敵な作戦を同じように自分で実行できるとは、ライトセイバーを自分にも振り回せるようになるとは、黒いスーツに身を包みマントをはためかせ夜の街で悪をこらしめらることが自分にもできるとは、まぁ思わないワケですよ、ね。ええ、ええ。なのにジョーカーは。されどジョーカーは。
物語は淡々とアーサーの身の上をつづり、社会に見捨てられ信じていたものに裏切られ、追い詰められてゆく様を見せつけ、その惨めで不幸で救いのない姿が明らかになるにつれ、観ているこちらの心のざわめきが陰鬱になってきて・・・
最終的に、明らかにネジがすっ飛んで、枷が外れて、覚醒しちゃう、ので、感情移入まではギリ行かない。と思う。
ホアキンフェニックスってこんな体じゃなかったと思うけど・・・前に観たのは『ウォーク・ザ・ライン』だったと思うけど、って感想読み直したら酷いですねスミマセン(汗) 今作のために24kg減量したそうですがそれも含めてスゴイ。
ブルース・ウェインとの関わりもありましたね。アレだとブルースが大人になる頃にジョーカーはおじいちゃんなんじゃないかと思いますがそれにつけても因縁の深さよ。ブルースはいっこも悪くないけど立場上標的にされてしまいますわ。
『キングオブコメディー』そう言えば観てなかった観ます。『タクシードライバー』も観ます観ます。
- 2019年アメリカ
- 原題JOKER
- 監督トッド・フィリップス
- 脚本トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
- 原作
- 出演ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ、マーク・マロン、ビル・キャンプ、グレン・フレシュラー、シェー・ウィガム、ブレット・カレン、ダグラス・ホッジ、ジョシュ・パイス
- 声の出演
- 制限