劇場『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
アントマン単独作の1作目2作目をまったく思い出せないままに、ずいぶん大作ちっくな雰囲気でどどーんと出てきたもんだから、ちょっと構えちゃったところはありますね。いつも楽しく聞かせてもらってる茶一郎さんというYoutuberが"もはやマーベル作品は子どもの発表会。どうか失敗しないでくれ、面白くあってくれ、と願いながら観てる"と言ってたの、すごく分かる。けどMCUを追っかけてる人だけ観ればいいとは思ってないだろうからさぁケヴィンファイギだってね。だから私も追っかけてるけど、都合よく忘れて観てそれなりに楽しめれば良いと思うんですよ。っていう気持ちも既に子どもの発表会をみる親目線ですね、そうですね(笑)つーか量子の世界どころか「量子とは」の時点から一歩も理解が進んでいないわたくしなのでありますが、そもそも体が小さくなったり大きくなったりするという現象はファンタジーであって科学ではないと思っているので、言ったら負けなのも分かっているので黙ってることにします。
そしてこれがその量子の世界デスヨっつって見せられるビジュアルがあまりにもスターウォーズで「ええ〜・・」ってなるよね〜。わかる〜。あのバーみたいなシーンはスターウォーズフリークでもなんでもない私ですら既視感しかなかったもんね。でもね、スターウォーズには絶対存在しない要素はあったのよ。誰あろうビルマーレイ(笑) ビルマーレイが写ってる間は確かにスターウォーズじゃなかった。それ以外はだいたいスターウォーズ。とは言え、近頃若い人がタイタニックを見るという現象があったりすることを考えると、つまりスターウォーズだって「知ってて当たり前」ではなくなっていても全く不思議ではないというわけです。なので量子の世界はこんなんデスヨって言われて、へぇそうなんだ新しいね!って言えばいいのです。原子より小さい生物なんてありえねえし!とか言わなくていいのです。
行動原理が娘一辺倒のスコットラングは安定のヒーローらしからぬ言動で、それだけでちょっと面白いんですが、その娘が派手にやらかして問題を大きくし、ついでにヒーローに目覚めてしまうという展開は嫌いじゃないです。かわいいし。ただ主人公はジャネットみたいでしたよね(笑) 一番冒険してたし。相変わらずホープの存在感がイマイチ薄くて、そこんとこはいつも物足りないんですよ。間違いを起こさず、物分かり良く、葛藤の少ない、スマートすぎるヒーローは主人公にならないですからね。最後にイイところをマルっと持っていくマイケルダグラスがさすがです。血筋から違う(笑)
カーンのインパクトは確かに大きいですね。もう時系列なんかずっと前からワケわからんことなってんのに更にダイ!コン!ラン(笑) ロキとアレがアレしたせいでコレがこうなった?って説がどうもホントらしいですけど、カーンは存在自体が時間軸に囚われていないとかなんとかだとすると、誰がどの時点で何をしたか、に影響されることなんてあるの?私は何を言っているの?どっちが先に起こったか、というのはカーンにとってどのくらい大事なの?鶏と卵なの?カーンの中の人は別の意味ですごく大変そうですが、それはそれで楽しそうにも見えます。
一見壮大な戦争がモチーフっぽいけど、実はひたすら家族が仲良しですって言ってるお話なのよね。ピム博士の場合はそこにアリさんも含まれていたりいなかったりしなくもなかったりするように見えたけど、少なくともスコットラング的には戦争なんかどうでもいいですからね。世界を救ったっていう流れで食ってても、本心はそんなのどうでもいいっていうのがね。スコットラング著の本、リアルAmazonでマジで売っててどうしようって思ったけど英語版しかないのでポチらなくて済みました。家族が仲良しなのはイイことです。それは間違いない。微妙に複雑な家族構成ではあるけど、仲良しなら良いんだよ。うんうん。
- 2023年アメリカ
- 原題Ant-Man And The Wasp: Quantumania
- 監督ペイトン・リード
- 脚本ジェフ・ラヴネス
- 原作
- 出演ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、ジョナサン・メジャース、ミシェル・ファイファー、マイケル・ダグラス、キャスリン・ニュートン、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ケイティ・オブライアン、ビル・マーレイ、コリー・ストール、ランドール・パーク、グレッグ・ターキントン、ルーベン・ラバサ、トム・ヒドルストン、オーウェン・ウィルソン
- 声の出演
- 制限