劇場『はたらく細胞』
すばらしかった。ポスタービジュアルで白塗りの佐藤健を見たときに「あ、これは獲りにきてるやつだ」と思ったのが当たりましたね。原作本はBLACKもあわせて持ってるのですが、外側の人間本体のことって実は描写されてなかったんですよね。今作あまりにも体内⇔体外の行き来と見せ方のバランスが自然っつーか絶妙っつーか、あれ?これ原作どおり?え?ってなったくらい脚本も素晴らしい。さらにこれだけの役者陣が全員本気の演技をみせてくれています。CG満載でコメディ要素も多いし、ただのコスプレ大会になってたらどうしよ〜って、ほぼ全員思ってたでしょ?しょーがないけどね、実写映画ってマジで当たり外れデカすぎますし。それがどうすか、こんな感動大傑作になってるなんて!ねえ。映画の予告編ってのはこういうふうに騙して欲しいよね。いや、参りました。マジでよかった。よく泣けた。阿部サダヲに本気泣きをやられたらこっちも泣くに決まってんじゃん!もう!コメディパートも最高だしホント何をやってても間違いないんだもんずるいよ!言うほど出演作観てないですけど!すんません!
佐藤健ってそもそも無表情な顔しかほぼ見ないんだけど、白血球さんの役柄に似合っててよかったよね。アクションの出来もさすがとしか言いようがない。るろうに走りとか聞いてないよ!最高!あれはもう専売特許だよね。彼だから許されるやつ。
永野芽郁も安定してますよねぇ。なんでしょうねこの素直さと言うべきか、すっとぼけぶりと言うべきか、それが強さ+健気さに通じる的な存在感がハマるんでしょうね。いいキャラです。
てか山本耕史サンってこんなにゴツくなってたんだね・・・なんだよあの腕しばらく気づかなかったよ・・・どこまでいっちゃうんだろこの人。最高。あと細胞たちの紹介してる歌?をたまたまyoutubeで見たけど、歌も普通にうまいんだね。戦隊風だけど教材にも良いんじゃないでしょうか。良い仕事してますよね〜。
芦田愛菜ちゃんの佇まいもちゃんと優等生しててよき。あの親子のやりとりもわざとらしくなく、普通に当たり前のように見えてるのがホントすごいと思いますよね。で彼氏の加藤清史郎くん、久しぶりに見たけどちゃんと大人になってて良かったねぇ。ちょっと東出昌大みあるくない?
お父さんの体内環境がほぼ昭和の戦時下で酷い。気持ちはわかるけど酷い。ちょっとしか確認できなかったけどあの看板たちがいちいち笑えてイイネ。娘の体内は欧風テーマパークっていうのがすさまじい対比でねぇwwwww アドレナリン分泌でDJがアゲアゲで繰り出すのがサンバカーニバルなのも面白いけど、サンバ要員の人はどの細胞なのかって流石に説明なかったね(笑)
ブラック環境の赤血球たちもホントよかった。板垣李光人って人はなかなか特異なキャラですよね。加藤諒サンの自由自在な感じもけっこう好き。肛門シーンも今作屈指の出来栄えですよね。最高に暑苦しくて、ちゃんと分かりやすく、そして自分の体を労わりたい気持ちにさせてくれる。
そしてラスボスは白血病でしたが、元は白血球になるはずの細胞が異常を起こして発現するものだった、ということで間違いなかったでしょうか。知らなかったのでこれも勉強になりました。演者については知らん。他の病原体も顔がほぼ誰かわからん状態なので、そこは残念だったかもしんない。原作だとガン細胞がラスボスだったと思うけど、そこはもしかすると佐藤健と一騎打ちをさせたかったから、かなぁ。と思いました。
何しろエキストラの数がパねぇし、CG多用せざるを得ないとは言え、映像表現するための解釈はすごくうまくいってると思います。ホント笑えて泣けて勉強になるエンタテインメントですよ。間違いないです。放射線治療とか骨髄移植についてもちゃんと知らなかったし、それぞれの細胞の詳しいはたらきや関係性なんかもけっこうしっかり表現してくれているので、ほんとありがたい作品ですよね。マジでみんな観るべき。そして自らの生活習慣を省みる機会にすべき。アタシも酒はほどほどにしたいと思います。思います。
- 2024年日本
- 原題
- 監督武内英樹
- 脚本徳永友一
- 原作清水茜 『はたらく細胞』(講談社『月刊少年シリウス』所載)、原田重光 『はたらく細胞BLACK』、初嘉屋一生『はたらく細胞BLACK』
- 出演永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、板垣李光人、加藤諒、加藤清史郎、マイカ・ピュ、深田恭子、片岡愛之助、新納慎也、小沢真珠、鶴見辰吾、光石研、Fukase、阿部サダヲ
- 声の出演
- 制限